アクアビットスパイラルズは、スマートフォンをクラウド認証型NFCタグにかざすだけで「その場所にいる」ことを認証し、特定のアクションを許可する技術について、特許(第7669029号)を取得したことを発表しました!

この技術は「存在証明(Proof-of-Presence)」と呼ばれ、決済システムや入退室管理、機器制御など、多岐にわたる分野で安全なサービス提供を実現してくれるんです。2015年から「スマートプレート」の提供を続けてきたアクアビットスパイラルズが、この新しい特許技術を搭載した「スマートプレートSE」で、どんな新しい価値を創出するのか、とっても楽しみですね。
なぜこの技術が必要なの?
これまでのQRコードや一般的なNFCタグって、一度情報を読み取ってしまうと、実際にその場所に行かなくても、後からでも使えちゃうという課題がありました。例えば、スタンプラリーで友達が撮ったQRコードの写真を使ったり、「今日だけセール」のURLを保存して別の場所から購入したり、なんてことが技術的には可能だったんです。
このような不正利用は、サービスを提供する事業者さんにとって、いくつか困った問題を引き起こしていました。
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インセンティブの価値が下がっちゃう: 実際に足を運んでいない人が特典を受け取ってしまうと、せっかくのインセンティブの価値が薄れてしまい、真面目に参加している人の体験価値も向上しにくくなります。
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データの信頼性が低下: いつ、どこでアクセスされたかがあいまいだと、マーケティングデータとして活用するのが難しくなります。
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ブランドイメージへの影響: 不正利用が横行すると、サービス全体の信頼性が損なわれてしまう可能性もあります。
こうした背景から、「いま、まさにここにいる人」にだけ安全にサービスを提供するには、GPSやBluetoothといった技術を組み合わせる必要があり、技術的にもコスト的にもハードルが高かったんです。そのため、「存在証明」に基づくサービスは、これまで限定的な領域にとどまっていました。
「スマートプレートSE」ってどんな技術?
今回特許を取得した「スマートプレートSE」は、この課題をバッチリ解決してくれます!アクセスするたびに変化する暗号化コードをNFCチップ内で生成し、それをクラウドで認証する仕組み「ワンタイムURL」を実装しているんです。これにより、一度使ったコードは二度と使えなくなるので、特殊な装置を導入しなくても、電源不要のNFCタグを設置するだけで「今その場所にいること」を技術的に証明できるようになりました。
主な技術的な特徴は以下の通りです。
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動的検証コードの生成: アクセスするたびに異なる暗号化コードが生成されます。
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URLの拡散やリプレイ攻撃の防止: 使用済みのコードは再利用できないので、不正な使い回しを防ぎます。
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タイムスタンプ記録: 動的検証コードと紐づけて、物理的なアクセス日時がクラウドに記録されます。
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認証と認可: 動的検証コードの認証と、タイムスタンプや利用者識別情報の照合によって、サービスの利用が許可されます。
これらの技術によって、不正利用を根本から防ぎ、「確実にその場所にいたこと」「その時刻にアクセスしたこと」を保証。滞在や訪問、立ち会いといった記録を電磁的に残せるようになりました。
この特許は、これらの存在証明に基づいて、スタンプやポイントの付与、支払い処理、電気錠やゲート、自動販売機、券売機などの機器制御といった、さまざまなアクションを実行する「アクション制御システム」に関するものです。これにより、オンラインとオフラインを融合させたOMO型サービスを、より安全に展開できる仕組みが提供されます。
この技術によって、「今ここにいる」ことの証明(存在証明)はもちろん、存在の真正性を証明する「実在証明」、特定の位置や範囲にいたことを証明する「所在証明」、一定時間その場所にいたことを証明する「滞在証明」、そして現場にいる人のみを認証する「現地認証」といった、様々な証明が可能になります。
もうこんなに活用されてる!事例紹介
スマートプレートSEの特許技術は、すでに色々な場所で活躍し始めていますよ!
1. 【観光・レジャー】 その場所でしか買えないリフト券
東急リゾーツ&ステイ株式会社が運営する「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」では、2022年から「その場所からしか入れないオンライン」という面白い発想で、リフト券の割引販売を展開しています。

スキー場やスポーツ用品店の店頭などにスマートプレートSEを設置し、スマホをかざすと、その場所限定の特別価格でリフト券が購入できる仕組みです。これにより、イベント会場や店頭の来店者、提携施設の利用者が対象となり、「その場所にいること」が証明されることで、場所に応じた特別価格が実現。二次元コードの使い回しによる不正購入も技術的に防止されています。実際に「その場所を訪れた人だけ」が特典を受けられる公平性が確保され、来店・来場を促す効果に貢献しています。
- ニセコでのリフト券販売事例: https://spirals.co.jp/casestudy/niseko-liftticket
2. 【サテライトオフィス】 来店証明型ポイントプログラム
株式会社ザイマックスグループが運営するサテライトオフィスサービス「ZXY(ジザイ)」では、2025年5月からスマートプレートSEを活用した来店証明型ポイントプログラムを運用しています。

各拠点に設置されたスマートプレートSEにスマホをかざすと、その拠点を確実に利用したことが記録され、利用回数に応じてポイント(スタンプ)が付与されます。これまでのGPS位置情報では、屋内の測位が難しかったり、判定があいまいだったりしましたが、スマートプレートSEのおかげで「確実にその場所にいること」が証明できるようになりました。
この取り組みによって、不正なポイント取得が防止され、正確な拠点利用データが取得できるようになり、利用促進インセンティブの信頼性向上につながっています。
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ZXYポイントキャンペーン事例: https://spirals.co.jp/casestudy/zxy-point
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ZXY(ジザイ)公式サイト: https://zxy.work
3. 【商業施設】 高付加価値提供型スタンプラリー
東京ポートシティ竹芝では、スマートプレートSEを使ってURLの再利用を防ぎ、来店・来館を証明することで、高付加価値の特典を提供できるスタンプラリーを実施しています。

スタンプをコンプリートすると、高付加価値の電子ギフト券が発券され、参加者の体験価値が向上し、再来店や店内回遊が促進されるんです。URLの複製による不正アクセスを完全に防止できるため、アクセスごとにトークンが生成され、遠隔からの不正利用も不可能です。このスタンプラリー形式だけでなく、来店証明型の電子ギフト券を発行するインスタントウィン形式など、複数の商業施設で様々な形で導入が進んでいます。
- 東京ポートシティ竹芝スタンプラリー事例: https://spirals.co.jp/casestudy/portcity-stamp
これからどんなことに使えるの?
「存在証明」と「アクション制御」を組み合わせたスマートプレートSEの特許技術は、今後も様々な分野での活用が期待されています!
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エンターテインメント: 来場者限定コンテンツの配信、来場証明NFTの発行、イベント参加証明、入退場管理、来店証明型スタンプラリーなど
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決済・コマース: 決済端末が不要な「対面Web決済」、ハードウェアレスな無人販売など
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機器・設備制御: ホテルのドア、ロッカー、自動販売機や券売機、照明・空調機器などをスマホで直接制御
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公共交通(MaaS): 乗降時の確実な位置証明による、リーダーレス・現金レスな運賃精算
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地域活性化・インバウンド: 観光マイレージ、ポイントプログラム、アプリ不要・多言語対応による周遊・案内サービス
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セキュリティ: オフィスや施設の入退室管理(スマートロック連携)、危険区域への立ち入り管理
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産業・物流: 農産物の生産履歴から製造工程、配送までの一貫したトレーサビリティ
さらに進化!「いつ・どこで・だれが」を証明
アクアビットスパイラルズは、スマートプレートSEの特許技術に本人認証機能を組み合わせることで、「いつ・どこで・だれが」までを認証・認可するサービスの提供も予定しています。メールアドレス認証、LINEアカウント連携、SMS認証、マイナンバーカード認証といった認証手段と組み合わせることで、より高度なセキュリティが求められる場面での活用が期待されます。
例えば、重要な契約締結時の記録、代理打刻を防ぐ出退勤管理、巡回・点検業務の確実な記録、資格者による作業証明、現地立ち会い証明、ホテルやイベント会場でのスマートチェックイン、ブランド品や美術品の真贋判定・所有証明、そしてスタンプやポイント付与の不正防止など、幅広いユースケースが想定されています。
ディスプレイ連携で新たな体験も!
さらに、アクアビットスパイラルズが提供する「Dynapick(ダイナピック)」という特許技術(第5867635号)と、今回の存在証明技術を組み合わせることで、「画面に表示されている情報」と「その場にいる人」を結びつけた、新しい体験が創出できるんです!
ダイナピックは、ディスプレイの表示情報やタッチパネル操作と連動して、NFCタグから配信されるコンテンツを動的に変化させる技術。大阪・関西万博の「未来の都市」パビリオン内でも技術提供されています。
例えば、店頭サイネージと連動して「今ここでこの画面を見ているお客様だけ」に割引クーポンやスタンプを付与したり、イベントやライブ会場のスクリーンと連動して「今この会場でこのシーンを一緒に見ている人だけ」が受け取れるデジタル特典や来場証明コンテンツを提供したり、といったOMO施策が可能になります。これはきっと、私たちに新しい「ワクワク」を届けてくれるでしょう!
アクアビットスパイラルズは、この特許技術を核として、マイナンバーカードの普及で注目が高まるNFC活用サービス領域で、確固たる地位を築き、「いつ・どこで」の証明がもたらす価値を社会に実装し、新しい体験価値の創造に取り組んでいくそうです。
今回取得した特許情報
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特許番号: 特許 第7669029号
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発明の名称: アクション制御システム、アクション制御サーバ及びアクション制御方法
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出願日: 令和3年4月12日(2021年4月12日)
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登録日: 令和7年4月18日(2025年4月18日)
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特許権者: 株式会社アクアビットスパイラルズ
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発明者: 萩原 智啓
スマートプレートって?
スマートプレートは、スマートフォンをかざすだけで様々なデジタルコンテンツを直接配信し、モノや場所をオンラインサービスと直結する「Hyperlink of Things = モノのハイパーリンク」です。

特許取得済みの技術によってクラウドから動的にコントロールできるNFCタグを内蔵し、SaaS型のプラットフォームと組み合わせて提供されています。専用アプリやバッテリーが不要で、Webコンテンツだけでなくアプリ型サービスの起動トリガーとしても活用できます。Apple PayやGoogle Pay、PayPayなどによるNFCタグ決済(対面Web決済)にも対応しており、スマートシティのOMOインフラとしての役割が期待されています。
※SmartPlate(スマートプレート)、スマートプレートSE、Dynapick(ダイナピック)、PayChoiice(ペイチョイス)、対面Web決済、Hyperlink of Thingsは、株式会社アクアビットスパイラルズの商標または登録商標です。


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