疾患を持つスマートウォッチ利用者のホンネを大調査!健康管理の実態と意外な課題が明らかに

プレスリリース

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近年、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスは、単なるガジェットの枠を超え、私たちの健康管理に欠かせない存在になりつつあります。特に医療分野での応用も進み、Apple Watchの一部機能が医療機器として承認されるなど、その可能性は広がるばかりです。

しかし、実際に疾患を抱える方々が、これらのデバイスをどのように使いこなし、収集されたデータをどう活用しているのか、その実態はまだ十分に知られていませんでした。

そこで、株式会社テックドクターは、疾患を持つスマートウォッチ利用者601名を対象に、ウェアラブルデバイスのデータ活用に関するアンケート調査を実施しました。この調査は、以前行われた医師向け調査に続くもので、利用者と医師、双方の視点からデータのより良い活用方法を探ることを目指しています。

調査でわかった「スマートウォッチ健康管理」のリアル

多くの人が「活動量管理」に活用!疾患管理への意識も高まる

今回の調査で、ウェアラブルデバイスのデータを見る目的として最も多かったのは「活動量(歩数・消費カロリーなど)を管理するため」で、全体の56.9%でした。日々の運動量をチェックするのは、もはや多くの人にとって当たり前の習慣になっているようですね。

しかし、それだけでなく、「心拍や血圧など体調の変化を確認するため」(51.6%)、「疾患の経過や症状の変化を記録するため」(19.3%)、「治療の管理(通院・服用)に使用するため」(14.6%)といった、より専門的な疾患管理にデバイスを活用している人も2~5割にのぼることが判明しました。ウェアラブルデバイスが、単なる健康グッズから、疾患管理の強力なツールへと進化していることがうかがえます。

ウェアラブルデバイスの主な利用目的

約8割が日常的にデータを確認!活用実感もバッチリ

データの確認頻度については、「ほぼ毎日確認している」人が52.9%と半数以上を占め、「週に数回程度」まで含めると約8割もの人が日常的にデータをチェックしていることが分かりました。多くの人が習慣としてデバイスからの情報を取り入れているんですね。

ウェアラブルデバイスのデータ確認頻度

さらに、ウェアラブルデバイスのデータが「疾患管理に役立っている」と感じている人は、「非常に役立っている」(29.0%)と「ある程度役立っている」(43.6%)を合わせると72.6%にも上りました。多くの利用者が、心拍や睡眠、活動量といった日々のデータから自身の体調変化のヒントを得て、その有用性を実感しているようです。

ウェアラブルデバイスの疾患管理への役立ち度

医師とのデータ共有、世代間で大きなギャップが!

一方で、課題も見えてきました。ウェアラブルデバイスのデータを医師や医療機関に共有する行動には、大きな年代差があることが判明しました。

20代から40代では、約半数の人が「定期的に共有している」または「体調変化があったときのみ共有している」と回答し、データを積極的に医療に活かそうとする姿勢が見られました。

しかし、50代以上になると「共有したことはないし、必要性も感じない」という回答が最も多く、特に60代以上ではこの割合が5割を超えています。高齢層ほど、医療機関へのデータ共有に心理的なハードルを感じている実態が浮き彫りになりました。

「共有したいけど方法が分からない」「医師が関心を示さない」といった声も全世代で一定数あり、データ活用をさらに進めるには、共有方法の分かりやすい提示や、医療者側の受け入れ体制づくりが求められそうです。

ウェアラブルデバイスのデータ共有行動の年代別比較

やっぱり気になる「測定の正確性」!高齢層は“眺めるだけ”の可能性も?

ウェアラブルデバイスのデータを活用する上での不安点として、どの年代でも最も多く挙げられたのは「測定結果の正確性」(43.9%)でした。やはり、デバイスの精度への信頼は、健康管理にデータを活かす上で引き続き大きな課題のようですね。

ウェアラブルデバイスのデータ活用における不安点

興味深いことに、50代以上では「特に困っていない/難しさは感じない」と回答した人が、若年層に比べて高い傾向にありました。これは、高齢層がデータを深く分析して活用するというよりも、デバイスが自動で取得する数値を「受動的に眺めるだけ」の利用にとどまっている可能性を示唆しています。

ウェアラブルデバイスのデータ活用における不安点(年代別)

まとめ:データ活用の未来に向けて

今回の調査から、ウェアラブルデバイスを疾患の記録・管理に活用したいと考える人が想定以上に多く、日常的にデータを確認して体調変化を把握しようとする行動が広がっていることが分かりました。

その一方で、「測定結果の正確性」への不安は根強く、特に高齢層ではデータを深く活用しきれていない傾向も見られます。これらの状況は、ウェアラブルデバイスのデータが持つ本来の価値を最大限に引き出すためには、利用者側と医療側、双方にまだ工夫の余地があることを示しています。

株式会社テックドクターは、「データで調子をよくする時代へ」をビジョンに掲げ、ウェアラブルデバイスのデータから心身の変化をとらえる「デジタルバイオマーカー」の開発と社会実装を進めています。患者さん向けのアプリや医療者向けのダッシュボードを通じて、日常のデータが、自分の状態を理解したり、必要に応じて医療につなげたりできる「より良い体験」につながるよう、今後もサービスの向上と価値創出に努めていくとのことです。

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