2026年9月2日、サムスン電子の副社長Byung-Duk Yang(ヤン・ビョンドク)氏が来日し、「Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra|Fold8|Flip8」の国内発売を記念した取材インタビュー会が開催されました。
ヤン副社長は、Galaxyの折りたたみスマートフォンの技術開発を率いる責任者として、長年にわたる開発思想や、最新モデルに初搭載された「Flex Titanium」技術の開発背景、そして日本企業との協業について初めて明かしました。

7世代にわたる「理想の折りたたみ」への追求
サムスンは2019年に初代「Galaxy Fold」を発表して以来、より薄く、軽く、そして丈夫で使いやすい折りたたみスマートフォンを目指し、7世代にわたり技術を磨き上げてきました。ディスプレイやヒンジ、バッテリー、放熱設計、さらには全体的な使い勝手に至るまで、絶え間ない進化を遂げてきたのです。
この長い道のりの中で、サムスンがたどり着いた答えは、「理想的な折りたたみは、たった一つの形では定義できない」というものでした。大画面で生産性を高めたい人もいれば、コンテンツに没入したい人、コンパクトな端末で個性を表現したい人など、ユーザーのニーズは本当に多様です。
そこでサムスンは、「より大きく、没入感のあるディスプレイ体験」、「より薄く、軽く、それでいてさらに強力な耐久性」、「妥協のないUltraレベルのパフォーマンス」という3つの核となる技術革新を追求。その結果として、異なるニーズに応える3つのモデルが誕生しました。

異なるニーズに応える3つのフォームファクター
最新の折りたたみスマートフォンは、それぞれのライフスタイルに合わせて設計されています。
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Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra:大画面とAI機能で、操作性と生産性を最大限に高めた最もパワフルなモデルです。
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Samsung Galaxy Z Fold8:日常のコンテンツやエンターテイメントを、より高い没入感で楽しめるように設計されています。
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Samsung Galaxy Z Flip8:コンパクトでスタイリッシュでありながら、自分らしい個性を表現できるAIネイティブなモデルです。
Galaxy AIの活用シーンに合わせて設計された、これまでにない完成度の高いラインナップとなっています。
素材から体験価値まで「エンドツーエンドの技術革新」
これらの折りたたみスマートフォンの体験価値を高めるためには、単にサイズやデザインを変えるだけでは不十分です。折りたたみスマートフォンは、ディスプレイ構造、ヒンジ、バッテリー、放熱システム、内部構造といった主要部品が密接に影響し合っています。
そこでサムスンは、個々の部品を薄くしたり高性能化するだけでなく、素材やディスプレイ構造から本体内部構造まで、製品全体をシステムレベルで一貫して見直す「エンドツーエンドの技術革新」を重視しました。
ディスプレイ構造の革新「Flex Titanium」技術
今回の「Samsung Galaxy Zシリーズ」で最も重要な役割を果たしたのが、新技術「Flex Titanium」です。デバイスを薄くしながらも、ディスプレイを保護・支持し、折り曲げに必要な柔軟性、そして長期間の使用に耐える強度と耐久性を両立させる必要がありました。
サムスンは7世代にわたる開発で得た実使用データや衝撃テストの結果を分析し、より薄い折りたたみスマートフォンを実現するために必要な素材と構造を徹底的に見直しました。その結果、折り目の長期的な変形を抑え、復元力を高める方法を発見したのです。
そこで注目されたのが「チタン」です。チタンは強度に優れ、構造的に安定しており、繰り返し使用しても変形しにくい、非常に魅力的な素材です。航空宇宙産業でも広く使われるほど、その性能は実証済みです。
しかし、チタンを選ぶだけでは課題は解決しません。チタン本来の強さを保ちつつ、薄く加工し、曲げたり広げたりできる柔軟性を持たせることが本当の挑戦でした。サムスンは「Flex Titanium」技術で、チタンプレートとチタン合金フィルムという2つの素材を組み合わせることで、この課題をクリアしました。
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チタンプレート:ディスプレイ下部で主要な支持構造を担い、圧力と衝撃を吸収します。グレード4チタンの精密構造を適用し、強度を維持しつつ折りたたみに必要な柔軟性を確保しています。
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チタン合金フィルム:強度と柔軟性のバランスを考慮し、バナジウム、アルミニウム、クロムなどを含むチタン合金を採用。人の髪の毛の約3分の1の薄さを実現しながらも、長期使用に耐えうる耐久性を確保しています。

この技術開発では、ユーザーからの「開きにくい」という声に応えるため、イージーオープン構造の実現にも力を入れました。ヒンジやマグネット構造、ディスプレイの張力を精密に調整し、さらに折り曲げ部の端に微細な溝を設けることで、自然な動作でデバイスを開けられるように設計されています。
「Flex Titanium」技術によって、以下のユーザー体験が実現されました。
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より没入感のあるディスプレイ体験:平坦な画面、改善された折り目、新採用の反射防止コーティングにより、没入感のある画面体験を提供します。
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より薄く、軽いデザイン:「Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra」では厚さ約4.1mm(世界で最も薄い折りたたみ)、「Samsung Galaxy Z Fold8」では重量約201g(世界で最も軽い折りたたみ)を実現しました。
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Ultraレベルのパフォーマンス:ディスプレイモジュールの厚さを10%削減して内部空間を効率的に確保したことで、より大きなバッテリーと向上した放熱設計の搭載が可能となり、妥協のないパフォーマンスを実現しています。
「Flex Titanium」開発の鍵を握ったのは「日本企業」
ヤン副社長は、このプロジェクトを初代Galaxy Foldから開発に携わってきた自身の経験の中でも「最も困難で、最も革新的なプロジェクトだった」と振り返ります。次世代の折りたたみスマートフォンに必要な柔軟性と耐久性の目標値を設定し、世界中で素材を検討した結果、チタンにたどり着きました。しかし、チタンを薄く加工し、均一で安定した品質を実現することは至難の業でした。
世界中のチタン関連企業と議論を重ねる中で、サムスンが求める水準の素材と加工技術を実現できたのが、なんと「日本企業」だったそうです。日本企業との緊密な協議が始まりましたが、開発は決して順調ではなく、何度もプロジェクトが頓挫しそうになる困難な局面に直面したことから、社内では映画になぞらえ「プライベート・ライアン プロジェクト」と呼ばれていたほどだとか。それでも日本企業とともに課題を乗り越え、目指していた技術革新を実現できたことに対し、ヤン副社長は深い感謝の意を表しました。
バッテリーおよび充電システムの技術革新
折りたたみスマートフォンの薄型化において、もう一つの大きな課題がバッテリーです。限られたスペースで、より長い使用時間と高速充電、安全性、そして長期使用時の安定性を両立させる必要がありました。
「Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra」では、薄型デザインを維持しつつ、バッテリー容量5,000mAhを実現。これは、単に大容量バッテリーを搭載するだけでなく、バッテリーシステム全体を再設計することで可能になりました。エネルギー密度向上のため、新たに「シリコンカーボン負極材」が導入され、セルシステム全体が調整されています。
さらに、「Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra」および「Samsung Galaxy Z Fold8」では、折りたたみシリーズ初となる「45W超急速充電」が採用されました。充電速度だけでなく、発熱を効果的に抑制し、長期間にわたり安定した性能を維持できるよう設計されています。

100種類以上の信頼性テスト
サムスンは、ユーザーが毎日安心して使えるように、製品全体に対して100種類以上の信頼性テストを実施しています。落下や繰り返しの折りたたみ、圧力、湿気、異物混入など、日常で起こりうる様々な条件を想定し、実際の使用環境でデバイスがどのように動作するかを確認することを重視しています。
ヤン・ビョンドク副社長からのメッセージ
「私は初代からこれまでずっと折りたたみスマートフォンの開発に携わってきましたが、今回のプロジェクトが一番困難で一番革新的でした。技術革新のすべての出発点はユーザーへの理解です。ユーザーが折りたたみスマートフォンをどのように使用し、何を求めているのかというインサイトが素材の技術革新につながり、『Flex Titanium』のような新しい技術を生み出しました。そして、こうした技術革新が再びユーザー体験を改善する設計へとつながり、『より大きく、没入感のあるディスプレイ体験』『より薄く、軽く、それでいてさらに強力な耐久性』『妥協のないUltraレベルのパフォーマンス』といった3つの完成された体験を提供できるようになりました。Samsungは、これからも折りたたみ技術の新たなスタンダードを築いていきます。」

登壇者について

サムスン電子 副社長 / 副チーム長Component Technology Team
Byung-Duk Yang(ヤン・ビョンドク)氏
2018年にサムスン電子に入社以来、モバイルディスプレイ技術の進化を先導。折りたたみディスプレイの基本設計を構築し、実用化を牽引してきました。初代折りたたみ端末に採用された格子状金属構造(Lattice Metal Structure)や超薄型ガラス(UTG)、画面下カメラ(UDC)技術、EMRペン入力など、数々の業界初となる技術を実現。これらの革新が、現在の業界基準となる折りたたみディスプレイ設計の基盤を築き、新たな折りたたみディスプレイ時代を切り開きました。2026年5月には、SID(Society for Information Display)シンポジウムにおいてSID Special Recognition Awardを受賞しています。
新しいGalaxy Zシリーズの魅力
サムスンの8世代目となる折りたたみスマートフォン「Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra|Fold8|Flip8」は、2026年8月7日より国内発売を開始しました。パスポートサイズの「Samsung Galaxy Z Fold8」が新たなラインナップに加わり、3つの異なる折りたたみ体験を提供します。

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Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra:前作からさらに薄型化に成功し、約4.1mmという世界最薄を実現。バッテリー容量も5000mAhに向上し、画面の折り目もより目立ちにくく進化しました。超広角カメラは5000万画素へと大幅にアップグレードされ、明るさも約34%向上し、より高精細な撮影が可能です。
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Samsung Galaxy Z Fold8:10:16のカバー画面と4:3のメインディスプレイを採用し、映画やSNS、マンガなどのコンテンツを画面いっぱいに楽しめるデザインに刷新。2画面・3画面のマルチウィンドウに対応し、横並びでの3画面表示も可能です。
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Samsung Galaxy Z Flip8:開口時6.1mm、約180gというGalaxy Z Flipシリーズ史上最薄・最軽量を実現。最新の「One UI9」に対応し、追加アプリなしでフレックスウィンドウ上にアプリトレイを表示できるようになりました。
さらに、折りたたみ画面に最適化された「Galaxy AI」は、会話から次のアクションを提案・大画面で並行操作できる「Now Nudge」や、特定の人物にフォーカスした動画を作成できる新機能「マイファンカム」などを新搭載。日常のあらゆる場面でAIがあなたをサポートしてくれます。
Galaxyの折りたたみスマートフォンの詳細については、公式サイトをご覧ください。


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