「AI」と聞くと、パソコンの画面の中で動くイメージが強いかもしれません。しかし、株式会社Konnect-linKは、そのAIを現実世界で活躍させる「フィジカルAI」の研究開発を本格的にスタートさせました。

「現場で動くAI」って何?
Konnect-linKはこれまで、クラウドに頼らず、端末側でAIが知覚・判断を行う「エッジAI」に取り組んできました。今回新たに本格始動した「フィジカルAI」は、さらにその先を行く技術です。
フィジカルAIとは、ロボットや産業機械、モビリティ、ドローン、センサーデバイス、インフラ設備など、物理的なモノの中にAIが宿り、現場の状況を自ら知覚し、瞬時に判断し、直接アクションを返すAIのこと。
「遠くにあるAI」から「モノの中に宿るAI」を経て、「実空間に作用するAI」へと進化させることを目指しています。Konnect-linKグループは、これまで1年以上にわたり、AI利活用や基盤技術、IoTセンサーデバイスなどのフィジカル領域との親和性に関する社内研究開発を推進し、その実証と知識統合を完了させ、社会実装フェーズへ移行しました。
なぜ今、「フィジカルAI」が必要なの?
これまでのAIは、データセンター上で動作し、画面の中で「考え、答える」ことが中心でした。しかし、フィジカルAIは、AIがカメラやセンサーを通じて現実世界を理解し、その判断結果をロボットや機械の動きとして物理空間に反映させます。

この変化は、製造、物流、建設、医療、介護といった日本の基幹産業において、とっても大きな意味を持ちます。日本は2030年に約700万人の労働力不足に直面すると予測されており、人手の確保だけでは現場を維持することが難しくなってきています。AIが現場の状況を自ら理解し、機械やロボットを通じて作業の一部を担うフィジカルAIの導入は、この課題に対する現実的な解決策となるでしょう。
また、AIが現実世界に作用するためには、AI自身が現場のすぐそばで動作することが重要です。クラウドを介した処理では、リアルタイムな反応や制御が難しいため、フィジカルAIは現場のデバイス上で知覚・判断・制御を完結させることを前提としています。
フィジカルAIが描く未来
Konnect Frontier Labでは、AIが現場のデータを知覚し、その場で判断し、実空間にアクションを返す一連のプロセスを、現場のデバイス上で完結させるための研究開発を進めています。例えば、こんな未来が実現するかもしれません。
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カメラが現場の状況を常に認識し、不良や異常を検知した瞬間に、ライン制御や警告といった物理的アクションを即時に実行する。
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産業機械が自身の状態(振動・温度など)を常に把握し、故障の兆候を捉えた時点で、自律的に出力制御および保守通知を行う。
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物流ロボットが倉庫内の環境を理解し、状況に応じて最適な経路を自律的に判断し、搬送を実行する。
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自律機械が複数のセンサーから周囲環境を認識し、人や障害物を回避しながら安全に作業を継続する。
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作業者の発話や指示を理解した現場機器が、状況に応じた応答および関連機器の制御を行う。

これらの実現に向けて、コンピュータビジョン、センサーフュージョン、強化学習・模倣学習、予知保全、自律制御・ロボティクス、生成AIの軽量化といった幅広い技術を横断し、研究開発を進めていくとのことです。さらに、来期(2027年4月末)までに複数の企業との共同実証実験も予定しており、具体的なユースケースの創出と実運用に向けた検証が進められるでしょう。
Konnect-linKグループの強み
Konnect-linKグループは、戦略立案から事業開発、システム開発、そして現場への実装までを一貫して推進できる点が大きな強みです。特に、データ主権やセキュリティ要件が厳しい環境下でのAI構築実績とノウハウは、フィジカルAIを現場デバイス上で稼働させる上でも、そのまま活用できる基盤となります。
また、組み込みアプリケーション開発やIoTデバイス制御の豊富な実績を持つ人材が中核を担っており、センサー・カメラ・産業機器から取得したデータを現場のハードウェア上でリアルタイムに処理・制御する技術基盤も備わっています。
事業責任者からのメッセージ

株式会社Konnect-linK/株式会社Konnect Frontier Lab 代表取締役CEO 薦田 賢人氏
「AIはついに『画面の中』を飛び出し、現実世界に身体を獲得し始めました。これは、産業構造そのものを書き換える歴史的な転換点だと考えています。フィジカルAIは、AIが自ら現場の状況を見て、感じて、考え、そして機械の動きとして現実世界に応答する技術です。日本の製造現場、物流現場、医療・介護の現場に眠る職人技や運用ノウハウと、AIの判断力を結びつける鍵になると確信しています。子会社Konnect Frontier Labを起点に、長期視点で研究開発と社会実装にコミットしてまいります。」

株式会社Konnect-linK 上席執行役員CTO/株式会社Konnect Frontier Lab 取締役CTO 村中 祐紀氏
「フィジカルAIにおいて本質的に難しいのは、AIに『現実世界を知覚させ、現実世界に作用させる』ことです。クラウド上のAIは、人間が整理した入力に対して答えを返すだけで済みました。しかしフィジカルAIは、ノイズや欠損を含む生のセンサーデータから状況を読み取り、ミリ秒単位で判断し、その判断を物理的な動きへと変換しなければなりません。Konnect Frontier Labは、その挑戦に共感していただけるエンジニア・パートナー企業の皆様と共に、新しい領域を切り拓いてまいります。」
会社概要

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株式会社Konnect-linK
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所在地:東京都千代田区外神田5-2-1 外神田Sビル5階
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代表者:代表取締役 薦田 賢人
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設立:2022年5月
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事業内容:新規事業開発、AI/IT領域の支援、システム開発、経営支援


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