モーションリブ株式会社とトヨタ紡織株式会社が、AI（人工知能）とデジタルツイン技術を活用し、人の感覚にぴったりの触覚体験を生み出す新しい技術基盤を共同で開発したことを発表しました！
この技術は、熟練の職人さんが持つ繊細な「匠の技」をデータにして、AIがその人の身体の特徴や好みに合わせて、ロボットの動きを自動で作ってくれるというもの。これにより、例えば癒やしの提供や、製造現場での高度な技術の継承など、色々な場面で役立つことが期待されています。
なぜこの技術が必要だったの？
現代社会は、少子高齢化で働く人が減ったり、人々のライフスタイルが多様になったりと、色々な課題を抱えています。特に、製造現場での熟練した技術の伝承や、一人ひとりに合わせた質の高いサービス提供は、とても大切なことなんです。
モーションリブは、2022年からリアルハプティクス®︎技術と遠隔操作技術を組み合わせて、遠く離れた場所からでも質の高いタッチセラピー体験ができるプラットフォームの研究開発を進めてきました。これまでの研究で、5GやIOWNといった次世代ネットワークを使って、リアルタイムで力触覚を伝えたり、記録したり、再現したりすることに成功しています。しかし、さらに体験の価値を高めるには、記録した動きを「誰もが自分に最適な形で体験できる」個別最適化の技術が不可欠でした。
今回の研究でどんな成果があったの？
これまでの研究をさらに進化させ、主に二つの大きな技術的な成果が生まれました。
1. デジタルツイン空間での力触覚シミュレーション環境が完成！
現実世界のモノやコトをデジタル空間に再現する「デジタルツイン」の技術を使って、人と機械の精密な3Dモデルを構築しました。これにより、実際に機械を使わなくても、力触覚を伴う動きの編集や、安全性、効果の事前検証ができるようになりました。仮想空間で何度も試行錯誤できるので、質の高い触覚コンテンツを開発するスピードがグンと上がります。
2. AIがパーソナルな動きを自動生成！
熟練の技能者（今回はセラピストさんの施術動作）が持つ繊細な動きを、モーションリブのリアルハプティクス®︎技術でデータ化し、AIに学習させました。このAIに、利用者の身体情報（例えば肩幅など）を入れるだけで、その人にぴったりの力加減や動きをAIが瞬時に作り出してくれます。これで、ただ同じ動きを再現するだけでなく、一人ひとりの感性に寄り添った、質の高いパーソナルな体験を提供できるようになります。
この技術が描く未来とこれからの展望
今回開発された「デジタルツインによるシミュレーション」と「AIによる動作生成」の技術基盤は、本当に様々な分野に応用できる可能性を秘めています。モーションリブはこれからも、パートナー企業と一緒に、リアルハプティクス®︎技術とAIやデジタルツインのような最先端技術を融合させ、人々がもっと豊かに、そして快適に過ごせる社会の実現に貢献していくとのことです。
各社概要
トヨタ紡織株式会社
コーポレートサイト：https://www.toyota-boshoku.com/jp/
モーションリブ株式会社
コーポレートサイト：https://www.motionlib.com/
モーションリブは、「やさしいチカラ」で機械が人々を支援する豊かな社会を目指し、世界中の機械にリアルハプティクスを搭載していくことを目標としています。いつでもどこでも必要な時に、物理的な接触を伴う作業を機械が代わりに行ったり支援したりすることで、人々がゆとりある上質な生活を送れる社会の実現を目指しているそうです。
補足
- デジタルツイン: 現実世界にあるモノやコトを、そっくりそのままデジタル空間（コンピューターの中）に再現する技術のこと。
- IoA (Internet of Actions): あらゆるモノの操作感や人の動きをインターネットを通じて双方向に伝え、共有・蓄積・分析・再現できるようにするという考え方です。
※本文中に記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
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